リオデジャネイロのComplexo da Mareというファヴェーラ(ゲットー)では
十年間のもの間ドラッグ戦争が行われている。
二つのドラッグギャング間で縄張り争いの為にバトルを繰り広げている。
ファヴェーラのそれぞれのエリアを守る人は大人ではなく、むしろ大体が子供と若者である。
ブラジルの保健省によると、10代の若者の中で、100,000人のうち15人はドラッグウォーで死ぬそうである。
つまり、簡単に言ってしまうとこれは戦争に匹敵する数だ。
窮乏や社会サービスの不足の為に
リオのファヴェーラに住んでいる子供達はよくドラッグの世界に入る。
ギャングは貧しい子供をターゲットして、見張り番やドラッグディーラーとして雇っている。
2000年に、イギリス人の元アマチュアーボクサーのLuke Dowdney(ルーク・ダウドニー)は
Luta pela Paz(ファイト・フォー・ピース、「平和の為に戦う」)という組織を設立した。
彼によると、ボクシングというスポーツは、プレイする事によって
ライフスタイルにポジティブな影響を及ぼし
人生に目的と目標を与えられるアクティビティーであるという。
その信念を掲げて、リオのComplexo da Mareファヴェーラで
Viva Rioという組織と一緒にボクシングジムを作った。
最初の一年間で40人近くの若者はボクシングトレーニングを受け、国民教育も受けた。
それ以来、Luta pela Pazは少しづつ拡大し、現在はボクシングだけではなく
ブラジル発祥の格闘技、カポエイラやレスリングなどのアクティビティーを若者に教えている。
このプロジェクトは、10年間経った現在でも、活発に機能していて
ファヴェーラの多くの子供達が、このプロジェクトを卒業して成功している。
このプロジェクトには、五つの目標がある。
1. スポーツを通して、ライフスタイルを変える。
無料なスポーツトレーニングが行えるし、トーナメントやコンテストもよく行われている。
2. 平和を誓い。国民教育、人権、性教育、カルチャーを学習し世界観を成長させる。
3. 一般教育。ベーシックな教育をサポートして、学校を最後まで通わせる。
4. 仕事向けのスキルトレーニング。Luta pela Pazはローカルのビジネスとコラボレーションして
仕事用のスキルを磨くトレーニングも実施。
5. リーダーとしての若者を目指す。プロジェクトに入る子供は将来のリーダーである
自分の住んでいるエリアを変えるようにスキルとアイディアを与える。
ロンドンには、姉妹プロジェクトが創立した。
そして、Lutaのブランドショップもオープンした。
プロジェクトに参加した若者は店のスタッフになり
店の利益はLuta pela Pazをサポートする為に活用されている。(luta.co.uk)
Luke Dowdneyはリオのストリートキッズについて本を書いている。
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