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ストリート・ミューラルアーティスト ZOSEN&Mina Hamadaのアート・ミューラルに関するインタビュー
今回はスペインを拠点に活動しているストリート・ミューラルアーティストのZOSEN&Mina Hamadaのインタビューを紹介していきたいと思います。
このインタビューのきっかけになった経緯としては、彼らのアーティスト仲間であるストリートアーティストのPezからのコンタクトで実現したインタビューです。スペイン以外の国でも積極的に活動している彼らアート・ミューラルプロジェクトの話を中心にインタビューしていきました。
ZOSEN&Mina Hamadaのインタビュー
Masa:
まずは、お二人がアーティストとして活動し始めたきっかけはどんな事からだったのでしょうか?
Zosen:
グラフィティを1990年から始めて、そのまま今まで自然に続けてきたね。
Mina:
日本にいた頃には絵本を描いたり自分で小さな本を作ったりしていて、バルセロナに来てからもっと大きな作品や、壁に絵を描く事も始めました。バルセロナで出会った人達や環境の変化などが、自分の活動にも影響していると思います。
Masa:
あなた達が尊敬するアーティストはどんなアーティストですか?
または、どんなタイプのアーティストでしょうか?
Zosen:
尊敬するアーティスト達の名前を全部挙げていたらとても長くなってしまう。他人に対しても自分に対しても謙虚なアーティストだね。
Mina:
かっこいいものを作る人ですね。
Masa:
アート作品を作る際にどんな物からインスピレーションを受けますか?
Zosen:
たぶん僕の作品には自分が興味がある様々な事からの影響があると思う。
例えば、中南米のフォークロアの芸術や文化、アフリカの民俗行事や音楽、洋服、お面、使われている色等、キュビズム、アール・ブリュット(ArtBrut)、70・80・90年代の音楽、児童イラストレーション、象徴主義(シンボリズム)、秘密結社-Secret societyのシンボル等かな。
Mina:
植物や動物や自然のもの、自分の経験してきた事などですね。
Masa:
スペインのアートシーンと日本のアートシーンを比べた際にどんな違いを感じますか?
また他の国のアートシーンとスペインのアートシーンの違いについて教えて下さい。
Zosen:
グラフィティに関して言うとスペインでは大体30年前から始まっていて、だから現在のスペインにはグラフィティの文化が根付いている。
日本は様々なデザインやイラストレーションは日常生活の中でどこでもたくさん見られるけど、グラフィティは他のアート作品に比べてまだまだ文化的には受け入れられていない印象を受けたね。
日本の町では、スペインに比べてそんなに多くのグラフィティを見なかったので描く人は少ないのかなと思ったね。
アメリカ、フランス、イギリスなどではストリートアートのアーティスト達の作品が大きい美術館などで展示され、美術コレクターは多額の金額を出し彼らの作品を手に入れている。
スペインはたくさんいいアーティストがいるけれど、ストリートアートを扱う大きなマーケットはまだない。ただ、スペインでは日本と比べると展覧会などの自分の作品を発表する機会が得やすいと思うよ。
Masa:
スペインのストリートアート作品を見てみると、土地柄なのかカラフルな作品が多い印象を受けますが、他の国と比較した際、スペインのストリートアートの地域的な特徴などはあるのでしょうか?
Zosen:
その説明をするとしたら、バルセロナは太陽といい気候がある。
そういった要素が与えてくれる喜びみたいなものがここで活動するアーティストに影響を与えて、自然にたくさんの色を使わせるのかも。
アートと色は、地中海の文化と繋がっていると思う。
スペインの経済状態は今とても悪いけれども、それでも自然から受けとれるものは変わらないから。
Masa:
アーティストとして活動している時、どんな時、出来事に喜びを感じますか?
Zosen:
世界を旅して、新しい場所や町で壁に絵を描ける事にすごく喜びを感じる。
Mina:
たくさんあるけれど、たとえば自分のやりたいことができた、と思った時。急におもしろい事を思いついた時、自分の作品を見てだれかが喜んでくれた時ですね。
Masa:
あなた達が描くアートにはどんな意味がこめられているのでしょうか?
自分のアートを使って表現したいものはどんな事でしょうか?
Zosen:
自分が生きているのを実感する事、自分の思いや興味がある事を表現していく事、自分の感情を他人に気持ちのいい感じ(good
vibration)で伝える事。自分の作品を見た人が、その作品をきっかけにそこからもっと自分で考えるということに繋がったらいいなと思う。
Mina:
シンプルな喜びとか嬉しくなる気持ち。作る人も見る人にも。自分の作品を見ただれかがもしも少しでもうれしい気持ちになってくれたら私もとてもうれしいですね。
Masa:
現在活躍しているアーティストの中で、特に注目しているアーティストや尊敬しているアーティストはいますか?
Zosen&Mina:
Aryz, Maya Hayuk, Camille Lavaud, Nano4814 、、、等。
Masa:
日本でミューラル(壁画)を描こうと思った経緯はどんな事からだったのでしょうか?
Mina:
以前から日本で描きたいと思っていて、今回の帰国の際にMontana Colors
JPとUrbanForceの協力によってFUGスケートパークの外壁に描く事ができました。それと同時に東京の麹町画廊で展覧会をすることもでき、この機会をつくってくれた彼らにとても感謝しています。
また、現在UrbanForceによってこの壁画のドキュメンタリー映像を製作中です。
Masa:
世界的なストリートアートシーンの盛り上がりについてどう思いますか?
Zosen:
人々のストリートアートへの認識が高まっていくということ、長年ストリートで活動しているアーティスト達が自分たちの感情、衝動だけでなく仕事としても活動ができるようになっていく事に繋がっていったらいいと思う。
Masa:
アート以外には何か他の趣味や好きな事はありますか?
Zosen:
映画やモード-ファッション、音楽、現代史、社会運動(Social movement)等かな。
Mina:
好きなものは動物、知らない場所に行って歩き回る事、楽しそうにしている人を見る事が好きですね。
Masa:
今後の活動や今現在進めているプロジェクトについて教えて下さい。
Mina:
今はバルセロナ市内で建設中のホテルの仮設の壁に絵を描いています。現在バルセロナでは壁に絵を描く許可を取るのが難しいのでこのプロジェクトをきっかけに、もっと自由に描ける壁が増えていけばいいと思っています。
それ以外にも色々な場所に描きに行く予定で、これからもそうやって動いていきたいと思っています。ギャラリーでの展示も準備中で、外に描きに行かない日はアトリエで絵を描いています。
来年は日本にまた行って展示や壁画プロジェクト、何かおもしろい事をしたいです。
今回の日本帰国中に大阪でも絵を描く機会を得れたのですが、そこでとてもいい出会いがありいい時間を過ごす事ができました。
現在大阪の西成区では、「釜ヶ崎アートプロジェクト」というプロジェクトが始まっています。グラフィティによって町に新しい流れを産み出そう、というこのプロジェクトがこれからどんどん広がっていき、町が明るくなっていったらいいなと思います。
Mina:
また、新世界にあるいちばギャラリーではなんだかいつもおもしろいことをしているようで、あの場所にもっと長く滞在していたかったですね。
彼らの運営するセルフ祭りにぜひいつか参加をしたいと思っています。
Zosen:
日本と日本の人達が大好きだね。だけどみんな働きすぎには気をつけて。人生を楽しもう!
ZOSEN&Mina Hamada ウェブサイト紹介
http://zosenymina.tumblr.com/
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