Contents
チカーノをモチーフにしたヒップホップアートトイ Homies(ホーミーズ)
Homies(ホーミーズ)のトイクリエーター:デイビッド・ゴンザレズとは
デイビッド・ゴンザレズは、メキシコ系アメリカ人のアーティストである。
Homiesという大人気のチカーノカルチャーのヒップホップのアートトイのクリエーターとして有名なアーティスト。
デイビッドは、1964年にカリフォルニアのリッチモンド市で生まれた。
貧しいエリアで育ち、5人兄弟と生活を共にしていた。
デイビッドが育った環境は、いわゆるバリオのエリア(メキシコ移民が多く治安の悪いエリア)で、かなりタフな環境に囲まれて育ったが、ゴンザレス自体は真面目な子であり、小さい頃からアートに興味を示していた。
そんな性格であった事もあり、ゴンザレスは自分の近所に蔓延するギャングカルチャーを避ける事が出来ていた。
デイビッドは、若い頃からアーティストとしてのキャリアを目指していた。
兄弟共にカトリック教の中学校に通っていたが、地元の公立学校の方がアート教育に強かった為に転校することになった。
彼の親はゴンザレスのアートの才能に早い時期から気が付いていた事もあり、彼のアーティストとしての活動に力強いサポートをしていた。
Homies(ホーミーズ)の誕生の原点
デイビッドは高校生の頃、クラスメイトの為にイラストを描いていた。
彼の描くキャラクターは全てラティーノエリア(バリオ)に住んでいる人達に基づいて作られていた。
デイビッドの描くコミックのキャラクターはクラスメイトの中で、とても人気があった。
当時描いたキャラクターは、その後、大成功をおさめるHomies(トイ)のインスピレーションになった。
1970年代に、高校を卒業してからは、ローライダーカーのイベントの為にポスターやTシャツを作り始めた。
その後、情熱的なアーティスト活動の甲斐もあって、Lowrider Magazine(ローライダーマガジン)というローライダー専門雑誌に紹介された。これが縁となり、ローライダーマガジンからの依頼で、月に一回コミックを描くようになった。
このコミックのキャラクターは、高校生の頃に描いたバリオのキャラクターに基づいて描かれたものだった。
その後、デイビッドは結婚し、サンホゼに引越す事になった。
当時のデイビッドは、アート仕事だけで家族をサポートする事が出来なかった事から、郵便局で働き始めた。
郵便局の仕事においても、彼のアート才能は直ぐに見込まれ、郵便サービスで使用するプロモーション用のデザインを頼まれるようになった。この仕事がキッカケで、またTシャツのデザインをスタートさせた。自由時間を利用し、ローライダー系のTシャツのデザインして販売するビジネスもスタートされた。
Homies(ホーミーズ)のトイが誕生した歴史
1989年には、Lowrider Magazineのサポートのより、最初のHomiesのトイを製作した。
Homiesのトイは、小さいプラスチック製フィギュア(PVC)で、各キャラクターは、バリオで生活している人達をモチーフにしている。
当初は、スーパーのガチャガチャマシーンで販売していた。しかし、ロスアンゼルス市警(LAPD)からギャングを助長しているとネガティブなリアクションを受けてしまった。これにより、スーパー側は、Homiesのトイの販売を中止した。
デイビッドは、ギャングや、ギャング達のライフスタイルを美化している訳ではなかったので、もう一度、一からキャラクターを作り直すことにした。それぞれのキャラクターのバックストーリーを考え、ポジティブなイメージでトイのキャラクターを作り込んでいった。
その後、アメリカの大手有名スーパーのウォールマートや、セーフウェイなどでトイを販売し始めた。
他にもHomies関連のグッズを作り販売していった。現在、Homiesは、トイ以外にもTシャツやポスター、トレーディングカードなどのグッズを販売している。
Homiesのキャラクターに基づくデイビッドの弟のストーリー
ここまでは、デイビッドがホーミーズのトイを作り上げて成功するまでの道のりを紹介してきましたが、なんと言ってもホーミーズの成功の裏には、デイビッドの弟の存在がとても大きな影響を与えている。
デイビッドの弟のロバートは、彼よりも年が一つ下であるが、デイビッドとは全く違ったライフストーリーを送っていた。
兄である、ゴンザレスは、真面目で一直線にアーティストとしてのキャリアを目指していたが、弟のロバートは、バリオのギャングライフにドップリ浸かっていった。近所のギャング達とつるみ、トラブル続きの毎日を過ごしていた。
そんなロバートは、1980年にギャング達との小競り合いから、右足を失うことになってしまった。
彼は、実家にもどり車椅子の生活を余儀なくされた。
しかし、車椅子になったにも関わらず、ギャングライフから、中々抜け出す事ができなかった。
保険金を使い、パーティー生活を続けていった。お金を湯水のごとく使い続け、高級ローライダー車も購入する始末。
最終的には、お金も尽き、弟のロバートは実家から逃げていった。
しかし、その後、兄のデイビッドのアドバイスで、ロバートは、実家にもどり親に許しを得て、また家族との共同生活に戻った。
改心したロバートは、ローン会社で仕事を始め真面目に働く生活をスタートさせた。
だが、いつも心の中には、満たされない何かがあった。
ロバートは、24歳の時にカトリックの神父になることを決意した。
デイビッドがHomiesで成功し始める一方、ロバートはバリオの教会で神父としての生活をはじめた。
Homiesのトイに対して、ロスアンゼルス市警(LAPD)から注意を受けた時、実はデイビッドは、神父になった弟のロバートに相談していた。
ロバートのアドバイスにより、Homiesのトイをポジティブなキャラクターを作り直し、生まれ変わらせようとした。
そのトイのキャラクターの中には、ロバートを基にした車椅子に乗っているキャラクターを作り、メキシコ系アメリカ人の警察官のキャラクターも作った。
「ウィリー」という車椅子のキャラクターは、ホーミーズのキャラクターの中で最も人気のあるキャラクターである。
他にも、弟のロバートの為に神父のキャラクターを作った。
「エル・パドレシト」という神父のキャラクターは、ロバートに似せて作ったキャラクター。
この神父のキャラクターは、ホーミーズトイの世界の中で生きる、不幸な生活を余儀なくされているキャラクター達にとって、父親のようなキャラクターになった。
ロバートは、このキャラクター「エル・パドレシト」のライセンスを兄のデイビッドから1ドルで買い(法律的に必要だった為に)、自分のマスコットにした。そして、インターネットを使って、「エル・パドレシト」のオンライン教会を作った。
深い悩みを抱えている人々が、ロバート神父にメールで相談できるサービスである。
Homiesは、ただのトイとしてブームだけにとどまらず、ポジティブな社会活動をサポートしている。
デイビッド・ゴンザレスの他のアート
現在、デイビッドは、サンフランシスコに住んでいる。三人の子供がいて、孫もいる。
トイ以外にも、アート活動を続けていて、ローライダー系Tシャツとプリントはもちろん作り続けていて
油絵でキリスト教系のアートも描いているようだ。
Homies(ホーミーズ)のトイ紹介
Homies Hip Hop Show
Polychrome
売り上げランキング: 182680
Polychrome
売り上げランキング: 182680
Homies(ホーミーズ) Lowrider Magazine アートトイのクリエーター インパラ ローライダー チカーノカルチャー デイビッド・ゴンザレス バリオ ヒップホップ・アートトイ Homies(ホーミーズ) ホーミーズトイ メキシコ系アメリカ人 ローライダーマガジン ローライダー系Tシャツ
スポンサーリンク