ストリートアートというクリエイティブなジャンルは、現在のヒップホップカルチャーにだけに限った訳ではない。
歴史的バックボーンを元に、世界中の国々で表現の媒体としてストリートアートを使っている。
南インドのkolam(コーラム)というストリートアートは、この流れを説明する為に特に良い例として説明できる。
何百年間の間、南インドの女性達は毎日、家の前でこの伝統的なアートを行っている。
Kolamとは、白い米粉で描かれたジオメトリック(幾何級数的な)のデザインやパターンである。
男性はKolam描かない。
毎朝、それぞれの家庭の女性は家のドアの前で複雑なデザインを描く。
毎日、日の出の前、家の前の道を水で流して、新しいKolamを描く。
一時的なアートなだけに、夜までに風で散らかってしまったり
踏まれたり、虫や鳥に食べられたりするが、この刹那的な事も含めて認められている。
Kolamのアーティストは高精度、対称やディテールを重要視する。
それぞれの家庭の女性は特徴あるデザインやパターンを代々教えられ伝えられる。
祖母から母親、そして少女は母親のアートを見てや徐々に自分で描けるようになっていく。
それぞれの家では、Kolamデザインのノートを持っていて、新しいデザインも、しっかりと保存する。
このアートは見た目の綺麗さだけではなく、宗教的な意味も含まれている。
家の前のKolamは家に歓迎されている印。
人、動物、ヒンズー女神のラクシュミ(Lakshmi)は
Kolamが描かれている家に招かれているという意味がある。
そして、お祭の日や結婚式などの祝いの日にも
ストリートにいる全員の女の子は一緒に大型のKolamを描く習慣もある。
そして、伝統的な言い伝えとして、パターンのラインは完全に渾然一体とならないと
悪鬼や天魔は家に入るという俗伝もある。
現在、世界でインド人の移民の拡大もあってか
このフォークアートは世界中でも見る事が出来るようになっている。
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