カルチャー

アフロレゲエというブラジルの社会ムーブメント

AfroReggae

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ブラジルにおけるアフロレゲエという社会ムーブメントの波


アフロレゲエ(Afro Reggae)は、ブラジルのリオのファヴェーラ(ゲットー)から生み出された
音楽をツールに使ったファヴェーラ住民による社会ムーブメントである。
1993年、リオのヴィガリオ・ゲラル(Vigario Geral)というファヴェーラで
21人の無実な人々をリオの警察が射殺するという事件が起こった。

この事件に対して、強い憤りを感じたアンデルソン・サー(Anderson Sa)という元ドラッグディーラーが
友人と共に、Grupo Cultural AfroReggaeというグループを結成した。
アンデルソンは、ローカルのストリートキッズを集めてコミュニティーを作っていった
安い設備を使い音楽や、格闘技や、ダンスなどのアクティビティを教え始めた。
そして、リサイクルなどの環境関係プロジェクトもスタートしていった。

ファヴェーラのストリートキッズ達は、ドラッグギャング達にとっては簡単に使うことのできるスタッフとして
格好のターゲットになっていて、ファヴェーラ内でも、よく募集されている。

しかし、AfroReggaeのプロジェクトの甲斐もあって
子供達は、ポジティブなライフスタイルに興味をもつようになった。

 
AfroReggaeAfroReggae
 





アンデルソン・サーは、AfroReggaeというブラジルテイスト満載のヒップホップグループを作り
ファヴェラ内でローカルの人々のためにパフォーマンスおこなっていった。

このグループは瞬く間に人気になっていき、ファヴェーラの住民だけではなく
リオのメインストリームの人達にも影響を与える人気音楽グループになっていった。

2001年に、Banda AfroReggaeは、Universal Music Group(ユニヴァーサルというラベル)と契約を結び、レコードを製作。
コパカバーナビーチで行われたRolling Stones のライブ前座を務めるまでに成長した。
また、人気テレビ番組にも出演し、Banda AfroReggaeの収益は全てAfroReggaeプロジェクトに再投資した。
現在では何千人ものストリートキッズを雇用し、その子達は自分の家族をサポートできるようにまで成長した。
そして、今ではローカルのドラッグ犯罪を着実に減らしていっている。

2005年には、「ファヴェーラの丘」(Favela Rising)というドキュメンタリー映画が作られた
この映画は、アンデルソン・サーとAfroReggaeのルーツを紹介している。
様々な映画祭に出て、多くの賞を受賞した作品になった。

 
 
Favela Rising (2005)Favela Rising (2005)