アメリカのニュースタイル・ヒップホップ外交戦略
イスラム教の世界ではアメリカの評判、そしてイメージは
あまり良く思われていない風潮があるように感じる。
イラクやアフガニスタンの戦争やアグレッシブな外交政策などのせいもあり
イスラム教諸国のアメリカに対する印象は年々下がりつつある。
アメリカの政治は世界的に見ても、人気がないのも当然だが
アメリカが誇る第一の輸出品とも呼べるポップカルチャーの人気は
依然として世界中で人気を集めるカテゴリー。
外交戦略としてのアメリカのヒップホップ
1980年代以来、そのポップカルチャーの中でも一番人気、そして影響力共に抜群の破壊力を誇るのがヒップホップである。
このヒップホップカルチャーは、もはやただの音楽ジャンルに留まらず
アメリカにとっては、世界を相手にするコミュニケーションのツールとして使われている。
2011年に起きたアラブの春の間、ラップミュージックは
人々の意見を表現するツールとして使われていたし、グラフィティも同じように使われていた。
同年のアラブにおいて、ヒップホップはかなりパワフルなメディアとして使用されていた。
アメリカの政府は、この波に上手に使用するために
ヒップホップを外交政策ツールとして使い始めている。
実は、音楽カルチャーを外交ツールとして使う事は初めての事ではない。
冷戦の頃、旧ソ連のプロパガンダを相反する為に
ジャズミュージシャンのディジー・ギレスピー(Dizzy Gillespie)と
ベニー・グッドマン(Benny Goodman)をアフリカやアラブの諸国を行かせた事もあった。
現在、ローカルの人をはじめ
アメリカはイスラム教の諸国にいる人々を味方につけようと考えている。
2011年に、パキスタンのアメリカ大使館は
様々なヒップホップクルーのパフォーマンスを行っている。
11月には、シカゴのFEW Collectiveというヒップホップクルーは10日間のツアーを行った。
FEW Collectiveのパフォーマンスは
ローカルの人々に人気あり、好印象を与えた結果になった。
このようなヒップホップグループは、国を代表している事だけではなく
パキスタンの若者にも、コミュニケーションと表現のツールの可能性を教えている。
政府と政府の関係より、個人と個人の関係をカルチャーを通して伝え合い
偏見や文化の違い、様々な誤解の壁を少しずつ取り除ければと良いと願う。
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